婦人科外来ー 診療内容 ー
性感染症
クラミジア・ヘルペス・コンジローマ・淋病・トリコモナス・梅毒・毛じらみ・エイズなどの性感染症は性行為によって伝播する感染症で、主に寄生虫、細菌、ウイルスが原因です。症状は、おりものや臭いがあるなどの帯下異常、外陰部が痛い、かゆみがある、できもの、不正性器出血、下腹部が痛むなど以外にも全く無症状で病気が進行するものもあります。予防法はコンドーム装着が最低限です。
検査方法は、診察時肉眼や顕微鏡ですぐ診断がつくもの、おりものなどから病原体を割り出すもの、血液検査で病原体が感染しているか調べるものと様々です。
治療が遅れると、重篤な腹膜炎をおこしたり、二次的に不妊症や子宮外妊娠の原因になったりすることがありますので、いかなる性感染症であれ、迅速な診断と適切な治療を受け、定期的に検診をうける習慣をつけることが大切です。
病院で友人や知人に会いはしないだろうか・・・プライバシーは本当に守られるのか・・・医療スタッフが冷たい目で見はしないか・・・など、一般内科診療と比較して、性感染症の受診に関しては多くの不安がおありだと思います。当クリニックでは、徹底したプライバシーへの配慮と、きめ細かな対応で、患者さんの受診しやすい環境をご提供しますので、お気軽にご相談ください。
子宮内膜症
子宮内膜症の原因としては、ダイオキシンなど環境ホルモンの影響が考えられますが、腹膜上皮の変化によるもの、月経血の逆流なども有力です。
子宮内膜症の自覚症状は、生理痛、性交痛などです。このため、当クリニックでは月経困難症状で受診した患者さんには子宮内膜症を想定した超音波検査や血液検査(CA-125,CA19-9)を行なっています。
痛みの強いケースでは鎮痛剤を使って経過を見るか、痛みの程度や症状によって漢方薬や低容量ピルを用いる場合もあります。
昨今、子宮内膜症は増加傾向にあります。ただの生理痛と思って鎮痛剤だけで済まされるのは禁物です。とくに生理痛が頻繁におきる場合には鎮痛剤だけに頼らず、早めに受診されることをお勧めします。
生理不順・生理痛
通常、生理は卵巣が働きだす10代半ば(思春期)から、卵巣の機能が衰える50代 (更年期)まで、およそ28日周期で繰り返される生理現象です。生理が止まるとか、不正出血など病的な場合は婦人科を受診されますが、生理痛は多くの女性が我慢されるケースが多く、市販の痛み止めなどで処理される場合がほとんどです。
しかし、生理痛の中には子宮内膜症、子宮筋腫、骨盤腹膜炎による場合もあり、とくに30代、40代になってからの生理痛は要注意です。早めに超音波画像診察などの精密検査をお受けになることが必要です。
生理痛がひどくなってきたり、生理の周期が40日以上開いたり、期間が2日以下なら異常の可能性もあります。婦人科検診には抵抗があるという女性も多いと思われますが、診察方法も個別にいろいろと工夫されておりますので、悩みのある未婚の方も積極的に受診して頂きたいと思います。
子宮ガン検診
子宮ガンというと以前は発生年齢が早くても30代後半でしたが、最近では性交渉の開始年齢が若くなってきている影響もあり、子宮頸ガンなどは20代の若い年齢層に初期癌が認められる件数が増えています。18型ヒトパピローマウィルス感染などとの関連も有力と考えられています。
確率は低いのですが10代より生理周期がおかしかったり、不正出血が認められる方の中には子宮体癌が認められることもありますので、勝手に自己診断しないでご相談いただくことが賢明と思われます。
なにか、いつもと違うおりもの(分泌物)が出たり、臭いがいつもと違うなどの変化があるようでしたら、若い方でも今は20歳から公的な子宮ガン検診が受けられるようになりましたので、いつでもご来院ください。
当クリニックでは、私が子宮がん検診の専門医(細胞診専門医)のため専属の技師が勤務しており、遅くても1週間以内に結果を患者様に報告できる体制をとっております。また、ガンになりやすいヒトパピローマウィルスに感染しているかの検査も行なっています。
乳ガン検診
欧米女性に多いとされていた乳ガンですが、生活の欧風化に伴い日本人女性にも急増しており、日本女性の30人に1人が乳がんにかかるといわれています。乳がんは早期に発見し、適切な治療をすれば「治るガン」です。早期発見のためにも、定期的な専門家による検診が大切です。
当クリニックでは、乳腺の充実している20~30代の方には「超音波検査」による乳ガン健診をお勧めしています。数ミリの小さなしこりを見つけ出せます。放射線被ばくを避けたい妊婦の方や、若年の方、また乳房に痛みや炎症外傷があり圧迫に耐えられない方、強い乳腺症などで良好な撮影ができない方、頻回に検査をする必要のある方は、「マンモグラフィ」より超音波検査が適しています。ぜひ定期的に受診してください。30歳代より公費により検診をうけることができます。
婦人科人間ドック
子宮ガン・卵巣ガン・乳ガン・骨粗しょう症・高脂血症など、女性特有の病気を検査項目に組み入れた女性専用の人間ドックです。結婚前に健康チェックをされたい方、ご自身の健康状態を詳しく知りたい方、これからの人生を健康に過ごしたいと思われている方に、年に1度のレディスドック受診をお薦めしています。
- ■血液検査:貧血・肝機能(C型肝炎・B型肝炎・コレステロール・中性脂肪他)
- ■性感染症:梅毒・エイズ・クラミジア・淋病
- ■子宮頸ガン
- ■超音波検査:子宮内膜症・子宮筋腫・卵巣腫瘍の有無
- ■尿検査:蛋白・糖・潜血
- ■乳ガン検査:触診・超音波
漢方治療
現代西洋医学と違い、漢方の基本的な考え方は人が持っている病気を治す力(自然治癒力)を高めること。猿渡クリニックでは、各人の体質や病気の状態を慎重に見極めながら、最適な漢方薬を使い分け、正しい飲み方をご指導したします。
当クリニックで取扱っている漢方薬は、すべて「保険調剤」です。
肩こり、冷え性、不眠、便秘、貧血、ストレスによるイライラ、生理痛、生理不順、更年期障害、生活習慣病など。
更年期障害
通常、更年期は女性の閉経前後3~5年ぐらいの期間に起こります。頭痛、めまい、肩こり、腰痛、顔のほてり、発汗、腰や手足の冷え、手足の痛み、動悸、息切れ、寝つきが悪い、眠りが浅い、イライラ、くよくよす、憂鬱、吐き気、疲れやすいなどの症状がありますが、重い症状が出る人もいれば、ほとんど影響が出ない人もおり、その期間や度合は人それぞれです。
当クリニックの主な更年期治療には、「ホルモン補充療法」「漢方療法」「メディカルアロマセラピー」「カウンセリング」「サプリメント」「婦人科人間ドック」などがあります。
ホルモン補充療法
ホルモン補充療法(HRT)は、閉経前後に不足がちとなる女性ホルモン(エストロゲン)を補充し、「萎縮性膣炎」「性交痛」「骨粗しょう症」「ほてり」「イライラ」「発汗」「肩こり」「腰痛」など、更年期症状の緩和を図る治療法です。
当院のホルモン補充療法には、腕に塗るジェルタイプの『ル・エストロジェル』と飲み薬、貼り薬の治療法があります。すべて保険適用です。
1990年代後半、ホルモン補充療法(HRT)は〝夢の治療〟と呼ばれ、米国では約6000万人の女性に行なわれていた治療法でしたが、2002年に乳がん発症との関連性が指摘され、HRTの施術を控える医師が相次ぎました。しかし、その後の臨床試験でリスクはほとんどないという結果が発表され、2009年4月の日本産科婦人科学会の診療指針でも開始年齢と投与期間に注意を払えば、乳がんリスクよりも期待される治療効果の方が大きいとの見解も示されましたので、安心してホルモン補充治療をお受けください。
- ほてり、発汗、手足の冷え、不眠、イライラ、憂うつなどの更年期障害の症状を改善します。
- 皮膚から直接吸収されるため、内服薬に比べて、胃や肝臓への負担が少なくてすみます。
- 低刺激性のジェルタイプだからカブレやカユミなどが少なく、貼り薬のように目立ちません。
- 大手化粧品メーカーの資生堂が開発した保湿性にもすぐれたお肌にやさしい医薬品です。
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■手首から肩まで、両腕のできるだけ広い範囲に塗布します。
- ■両腕部はあらかじめ汗や水分を十分に拭き取り、清潔な手で塗布します。
- ■ご使用は1日1回。1回の使用量は「片腕:1プッシュ(0.9g)」、計1.8gが目安です。
- ■朝または夜の入浴後がお薦めですが、なるべく毎日同じ時間にお塗りください。
- *顔・乳房および外陰部・粘膜には塗らないでください。
- *腕に「傷」「湿疹」「皮膚炎」「ひどい日焼け」等がある場合は、その箇所を避けてください。
- *ジェルを塗った直後はアルコールを多量に含む化粧品の使用はお避けください。
- *1回分「2プッシュ/1.8グラム」より多くの量を一度に塗らないでください。
- *「しゃがれ声」「じんましん」「動悸」「息切れ」「体のだるさ」「ほてり」「目・唇周辺のハレ」や塗布部の「痛み」「熱感」「むくみ」等の症状が出た場合は直ちに医師に相談してください。
ピル処方
ピルには、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲストーゲン)という2種類の合成女性ホルモンが含まれています。患者様の状態に応じて、処方するピルの成分や量、服用方法が異なります。
当クリニックでは、ホルモン用量の少ない低用量ピルなど、数種類以上のピルを常備し、お一人お一人に合ったピルを処方いたします。患者様の体調により服用が制限されることもありますので、処方前検査が必要な場合もあります。
思春期相談
身体のこと、性についての悩みや不安なことについて、一人で悩んでいないで、気軽に相談してみませんか?お気軽にご来院ください。
10代の望まない妊娠が増えており、クラジミアなどの性感染症も増えています。性感染症は将来、不妊やガンの原因になることがあります。
子供達には正しい性の知識が必要です。特に10代のお子さんを持つお父さん、お母さんは、家庭で是非お子さんと正しい性のあり方について話し合ってください。大切なお子様の体を守るために、解決の糸口を一緒に探しましょう。